【不妊治療】 男性不妊
男性不妊について
不妊と聞くと、日本では昔から慣習的に主に女性に問題があると考えられていていました。
しかし、不妊症の原因は男女ともに半々で、その不妊病態は男女ともに患者様一人ひとり、千差万別で全く異なり、複雑に重なり合っています。
良い卵と、良い精子が出会い受精し、成長していきます。
精子数が昔に比べて少なくなったと世間では言われ、精子数を気にする方が多いですが、数が多くても質が悪ければ妊娠にはいたりません。
健康な男性の精子でも、全てが質の良い精子というわけではなくて、運動精子の中にも染色体異常の精子が混在しています。この傾向は不妊男性に強く現れますので、人工授精、体外受精では、染色体異常の精子を排除して正常な精子を選ぶことが必要です。
当院では、高品質な精子を選別する技術があります。
卵は、排卵する卵を選ぶことができません。精子は、何千万~何億といますので選ぶことができます。
できるだけよい精子を選別することが、大切です。
精液検査について
精液検査の説明を聞いていただき、専用の容器を受け取って下さい。
ご希望の日を予約していただき、当日精液は御自宅又は院内で採取して下さい。
お問い合わせおよびご予約は、来院時、または診察時間内にお電話でお願いいたします。
当院に妻の通院がない方、男性ブライダルチェックの方は、精液検査の前に感染症の採血が必要になります。
精子の精密検査について
◆DNA断片化指数検査について(独協医科大学越谷病院に送って調べます)
精子が酸化ストレスなどのダメージを受けることで精子のDNAが損傷することがあります。この損傷したDNAを持つ精子の割合をDNA断片化指数(DFI:DNA Fragmentation Index)と言います。
この検査では、どの程度の割合で精子のDNAが損傷しているのかを調べます。
通常の精液検査で異常がない方でも、精子のDFIが高い場合では、受精率や妊娠率が低くなったり、流産率が高くなったりすると言われています。
男性不妊外来を行っております【完全予約制】
男性不妊外来を行っております。
不妊原因は、約半数は男性側に不妊原因があるといわれています。
男性不妊を専門とする医師は極めて少ないのが現状で、一般的な泌尿器科では、男性不妊に関する検査・治療は行なっていません。
当院では、平成26年6月から、獨協医科大学越谷病院から男性不妊泌尿器科医師 岩端威之先生を招き、男性不妊の検査及び治療を 行っております。
初診時費用が約45,000円かかります。(DFI検査代含む)
*現在日曜日の診療が大変混み合っているため、日曜日は妻が当院で治療中の方のみ受け付けています。
〇問診
問診票をもとに体の状態について医師が説明します。
〇視診・触診
体の様子を目で見るとともに、外性器の状態を触って確認します。
〇血液検査
(ホルモン基礎値、肝機能、腎機能の検査)
体に異常がないか、精子形成にかかわるホルモンの分泌量を血液検査で調べます。
〇超音波検査
精巣の大きさなどを調べます。腫瘍や結石、 精索静脈瘤が見つかる場合があります。
〇精液検査
射精した精液の量や精子の数、精子の動きや形などを調べます。
必要に応じて、より詳しい検査を行います。
【完全予約制】
毎月2回、不定期に行っています。
予約:直接スタッフに、または診察時間内にお電話で予約してください。
℡ 055-962-1368
問診票をお渡ししますので、記入して初診時にご持参ください。
精索静脈瘤手術・精巣内精子回収術(TESE)を始めました。
精索静脈瘤手術(顕微鏡下低位精索静脈瘤結紮術)
精巣やその上の精索部に静脈瘤(静脈の拡張)が認められ、これを精索静脈瘤と言います。精巣の周りに精索静脈瘤ができると精巣温度の上昇や血流障害となるため、精巣機能を低下させ、精子の数が少なくなったり、精子の質が悪くなったりする原因になります。手術では、精巣静脈を結んで切断することで、血液の逆流がなくなり、瘤が消失します。これにより精液所見が改善するケースがあります。
手術には、大学病院で使用しているものと同じLeica社の手術専用顕微鏡を使用しており、岩端威之医師は年間100症例以上同手術を行なっています。この手術に大切な事は、例え時間をかけてもとにかく丁寧に行う事と術後のフォローアップ(術後の精巣・精索のエコーチェックや定期的な精液検査)になり、当院もその事を大切にしています。特に男性不妊の場合は精子の質の改善の度合いが違います。既に、近隣のクリニック様や大学病院からも多々御紹介を頂いております。
*現在大変混み合っていて、予約が数か月先までうまっている状態です。獨協医科大学泌尿器科など他院にご紹介させていただく場合がございます。
MD-TESE(顕微鏡下精巣精子採取術)
精液中に精子が1匹もいない無精子症の場合には、精巣内に精子がいれば、ICSI(顕微授精)と組み合わせることにより、妊娠の可能性がでてきます。手術用顕微鏡を用いて、精巣内にある精細管を広範囲に観察し、精巣組織ごと精子を回収します。精子が見つかれば、凍結保存します。凍結できたら、妻が採卵し、ICSI(顕微授精)を行い、授精卵を子宮に移植します。