【不妊治療】 体外受精
※当院は特定不妊治療指定医療機関になっていますので、特定不妊治療の助成を受けることができます。
体外受精とは、精子と卵子を体外で受精させて得られた受精卵(胚)を子宮に戻す方法です。
当院のモットーは、
「安心して子どもの成長を見守ることができる、安全な不妊治療」
こうした考えのもと、最先端の体外受精を提供いたします。
体外受精では、患者様の身体的・精神的な負担が大きくなりがちですが、
治療の過程で生まれる様々な疑問や悩みを、気軽に打ち明けられる
不妊相談もありますので、必要に応じてご利用ください。
卵管性不妊・男性不妊・一般不妊治療にて妊娠に至らない原因不明不妊・高齢の不妊症の方などの方に行われています。
近年では、こうした生殖補助医療の急速な進歩のため、従来では妊娠できないとあきらめていたご夫婦でも、妊娠・出産できるケースが増えてきました。
しかし女性の年齢が37歳を越えると、卵の質が急激に低下し、さらに、40歳を越えると、体外受精でも妊娠率の低下は明らかとなります。ただ、卵巣機能は個人差が大きいので、40歳でも良い卵が排卵される方もいますし、30代前半から卵の質が悪くなる方もいます。体外受精によって受精卵を得ることは可能ですが、妊娠、出産には、女性の年齢が大きく影響していることをご理解いただき、チャンスを逃さないようにしてください。
排卵誘発剤を使って卵巣を刺激し、複数の成熟卵胞を育てます。当院ではLong法、Short法、HMG-セトロタイド法、C-セトロタイド法、自然(排卵誘発はしない)の中から、患者様にあった方法を選択しています。
定期的に経腟超音波で卵胞の大きさを計測すると同時に、ホルモン値を調べ採卵の日を決定します。
Long法は2周期必要ですが、他の方法は、採卵したい周期に行うことができます。
詳しくは、体外受精の排卵誘発方法をご覧ください。
卵巣刺激の方法と特徴
ロング法 ショート法 |
HMG+ セトロタイド法 |
クロミッド法 自然周期法 |
|
---|---|---|---|
採卵できる卵の数 | 多い | やや多い | 少ない |
OHSSの心配 | あり | ややあり | ない |
排卵誘発 | HMG | HMG | C(+HMG) |
排卵を抑える方法 | 鼻スプレー | 注射 | 注射 |
採卵法、麻酔法
採卵の日AM8:30頃に来院していただいております。
前日の夜10時以降、当日は採卵終了まで禁飲食になります。
当院の採卵は、腟式採卵法で行います。
腟式採卵とは、通常の診察時に使用している腟式超音波を見ながら腟から採卵針を穿刺して採卵する方法です。
採卵は、時には血管損傷や感染などが起こることもあります。
(通常は1/3000程度と言われております。当院では現在まで1例もありません)
採卵は10分程度で終わります。
通常は静脈麻酔中に採卵し、麻酔から完全に覚めるまでお休みいただきます。
お昼頃診察をして、出血など異常がないことを確認してから帰宅していただきます。
麻酔をかけた日は、車の運転ができませんので、当日は、公共の交通機関を利用するか、送迎していただいて下さい。
卵胞数が1~2個と少ない場合には、麻酔をかけずに採卵を行うことがあります。
麻酔と卵の質は無関係です。
受精方法
授精方法 | メリット | デメリット |
---|---|---|
C-IVF |
自然の受精に近い。 トータルの費用が1番安い。 |
採卵当日の精液所見が悪いと受精率が下がる可能性あり。 |
顕微授精 (ICSI) |
受精率が高い。 ※当院の顕微授精は紡錘体を観察できる特殊な顕微鏡を使用しています。 |
1匹選別される精子の保障ができない。 |
受精卵の培養
採卵された卵子は、専用の培養液中で、培養庫にて2~3時間培養されます。その後、調整された精子と合わせ(媒精)、受精を待ちます。必要であれば、この媒精のかわりに顕微授精を行います。
受精が確認できるのは採卵翌日です。
採卵翌日に来院、またはお電話で受精の状態を確認してください。受精の状態により、胚移植日などを相談いたします。
胚移植
胚(受精卵)を子宮に戻すことを胚移植といいます。
当院では、通常、採卵から2日目、又は3日目の4~8細胞期に 移植 を行います。
多胎予防のため、1個の胚を移植するのが一般的です。
移植胚は胚の写真を見ながら、分割の様子を説明し、相談の上決定します。
複数の胚ができた場合は凍結保存して別の周期に胚移植を行うことができます。
移植専用の細いチューブを使用して胚を子宮に移植します。通常5分程度で終わります。
当日は麻酔を使用しませんので、禁食で来院する必要はありません。