【婦人科】 子宮癌検診・乳癌検診
なぜ子宮癌検診が必要か
子宮頸がん細胞は、原因となるHPV(ヒトパピローマウイルス)の完成から5~10年かかって増殖するといわれています。定期的に検診を受けていればがんになる前の段階で診断することができます。
20代、30代の女性が患う癌の中で最も多いのが子宮頸癌です。
若い世代の性的活動が活発になっているから、という人もいますが、それは間違いです。
子宮頸がん検診を受ける人が非常に少ないからです。ぜひ検診を受けて下さい。
90年代半ばまで減少傾向にありましたが、微増しています。
死亡数を最新の2011年のデータで見ると、6075人で2005年の5381人よりも増加しています。
なぜ乳癌検診が必要か
現在、日本人女性の15人に1人が乳がんになると言われています。
生涯に乳がんを患う日本人女性は、15人に1人(※1)と言われています。
乳がんで亡くなる女性は年々増え、2011年は12,731人 [厚生労働省 人口動態統計](※2)と、1980年と比べて約3倍になっています。
【※1】
冊子「がんの統計’12」(公益財団法人がん研究振興財団)
10. 累積がん罹患・死亡リスク (1)年令階級別罹患リスク(2007年罹患・死亡データに基づく)より
【※2】
ますます増える女性の乳がん死亡数
厚生労働省人工動態統計より
また若い年代で乳がんを患う女性も少なくありません。若い時から関心を持つことが大切です。
【※3】
年齢別にみた主要がんの罹患率:女性(2007年)
国立がん研究センターがん対策情報センター統計より
乳がんは早期に発見すれば、
治癒率の高い癌です。
そのために積極的に検診を受け、早い時期に乳癌を見つけるようにしたいと思っております。
早ければ乳癌は治りやすい癌なのです。
2cm(1円玉位)以内に見つかると患者さんの治癒率は90%になります。
乳癌のセルフチェック
このしこりに早く気づこうと、自分で調べるのが「セルフチェック」です。
毎月、生理が始まって1週間後ぐらいに、また閉経後は日を決めて行ってください。
※ 2部位以上にまたがる症例があるため、合計は100%を超える。
妊娠初期の乳癌検診
妊娠中の乳癌もありますので注意しています。
Medical Tribune 2003/7/24
【英エディンバラ】バレンシア大学病院(スペイン・バレンシア)産科のBlanca Hermando博士は「妊婦は乳房のしこりに気付いても,それが癌性かどうかを確認するための検査を受けないことが多いため、検査を奨励すべきである」と欧州腫瘍医学会(ESMO)で報告しました。
同学会では卵巣癌の新薬に関する報告もなされました。
■ 発見が10週間遅れる ■
Hermando博士による、妊婦約1,000例中1例が乳癌を発症します。
医師はそうしたリスクに留意すべきであるが、実際には、母体の疾患よりも胎児の健康状態に気を取られるケースが多いです。そこで、妊婦に対しては乳房を定期的に自己検診し、もし変化に気付いたらそれがわずかな変化であっても必ず報告するよう指導すべきであるとしています。
しかし、妊婦における乳癌の発見は遅れることが多く、同博士らが妊娠中に乳癌と診断された18例を対象に行った研究でも、発見が非妊婦と比べ約10週間遅れていました。診断が付けられた時点では既に癌が進行し、予後も不良であることが多いです。
診断法について、同博士は「妊娠中は乳房組織の密度が増すため、乳房X線検査による発見は難しく、妊娠中や授乳期における乳癌検査として最も優れているのは超音波検査である」と主張しました。また「18例のうち、妊娠初期に乳癌と診断された4例は中絶を選択し、4例は帝王切開を希望した。幸いなことに、出生児は全例が健康であった」と付け加えました。