兼子先生を招いて勉強会を行いました(H.26.5.15)
去年から、兼子先生が開発した凍結精子を使用した人工授精を行なっております。
通常の夫婦生活では、頚管粘液の働きによって、不動精子は子宮、卵管内に入ることはなく、運動精子の数も少なくなります。人工授精では、調整して運動精子を集めても、不動精子が入ってしまいますし、通常の夫婦生活より精子数が多いことがほとんどです。精子数が多いことは卵管までいく精子が多いので、人工授精のメリットでもありますが、抗精子抗体をつくる原因になると考えられています。凍結精子を使用した人工授精では、凍結後の運動率、数により、1回の凍結で1本~8本に分けて使用します。良好精子を少数、子宮にいれることができますので、抗精子抗体をつくりにくくなります。
また、当院の精子調整の方法は、兼子先生が開発した特別なもので、完全に通常精液中に存在する、菌、ウイルス、精しょうをとりのぞくことができます。同じ方法で調整している施設(当院とかぬき岩端医院など)以外は、上記のようなことはできません。※精しょうには、受精に必要な精子の先体反応をおきにくくする作用があります。また、抗精子抗体を作る原因にもなります。
精子を調整すると、精子が受精できる状態になるため、精子の寿命が短くなってしまいます。凍結精子を使用した人工授精では、卵胞が消失するまで、連日行うことができますので、妊娠率が上がります。