不妊の定義「2年」→「1年」へ
産経新聞 6月20日(土)
妊娠を希望しながら一定期間妊娠しない「不妊」について、日本産科婦人科学
会(藤井知行理事長)は20日、これまで「2年」を一般的としてきた妊娠が成
立しない期間を、「1年」とする方針を発表した。女性の晩産化を受け、早期に
不妊治療につなげられるよう定義を変更することを理事会で承認した。会員から
意見を聞き、8月にも決定する。
現在、不妊とされるのは生殖年齢の男女が妊娠を希望し、避妊することなく
2年ほど性生活を行っているのに妊娠しない場合。学会によると、国際的には妊
娠しない期間を1年とするのが一般的だという。こうした国際情勢に加え、日本
では晩産化により女性が妊娠する年齢が上昇。夫婦が早期に適切な不妊治療を受
けることが必要なことから、この期間を1年に改める。
学会によると、妊娠を希望して1年で80%、2年で90%が妊娠するとい
われており、現在、数十万カップルが不妊治療を受けているとされる。苛原(い
らはら)稔常務理事は「臨床現場では1年たっていれば不妊の原因を調べる検査
を行うのが一般的だ」として、定義の変更が臨床現場に与える影響は少ないとし
ている。